2023-04-20

プロのショーと国際試合

プロローグ ~ GIFT

羽生氏はフィギュアスケートの概念を変えてしまった。

どうやって1人でアイスショーをやるのか、と考えただけでも新しいものが創られる予感があり楽しかった。

パフォーミングアートでアーチスト1人による器楽リサイタルはある。声楽もクラシック、ポップスなどジャンルに関わらずある。しかしダンサーのワンマンショーは聞いたことがない。ありえないだろう。

ピアノを1時間半弾き続けることはできても1人で1時間も観客を飽きさせずに踊り続ける体力はどんなに鍛錬を極めたダンサーでもないと思う。

スクリーンを使ったビジュアル等を組み込んでプロデュースするのかと想像していた。想像はしていたが実際は想像を遥かに超えるプロダクションだった。

フィギュアスケートであれ程のスケールでエンターテイメントを実現しアイスショーの格がグンと上がった。これまで内輪のお楽しみショーの感触が強かったが一気にパフォーミングアートの一分野に格上げされた感である。

フィギュアスケートは誰でも始められるアマチュアスポーツ。しかしハイレベルのショーをプロデュース&オファーできるプロのアスリート&アーチストにまでなる選手はまずいない。

現役時代には惑星出身・在住と言われていた!羽生氏。今や太陽系を飛び出して恒星まで飛んで行ってしまったような衝撃がまだ残っている。

ノッテステラ―タ

こちらも同じ感動は2度とないようなショーだった。

体操とフィギュアスケートのコラボショーはアメリカでよくやっている様子で一度映像で見たことがある。それぞれの動きはバラバラで一緒にやる意義、一緒に観る意味を感じなかった。

内村&羽生両氏のコラボは空前の、究極の、超絶の演技だった。2人の動きは端正で美しく絡みは圧巻だった。

内村氏がスケートを履いて氷上におりたサプライズまであり幾重にも心に残るショーだった。

トリグラフ杯

羽生氏は恒星に行ってしまったが、こちらは現世、娑婆世界の試合も観戦し続けている(笑)。

地球上の試合は小さな世界で組織の役員、ジャッジ、ビジネス関連などが群がっている。利権や名誉を求める人々がひしめき合う中で小さく見えてしまう選手たちが一生懸命に試合に出場している。

スロベニアで行われるトリグラフ杯を観たのは初めてである。清掃などしていない古い広告が並ぶフェンスや音響を間違えたりする設営・運営でも欧州のこういった試合には打算や欲は感じられない。

小さくても何年も続いている国際試合を観るとフィギュアスケートが深く根付いている欧州文化も感じられる。

こんな試合でもYTで無料配信している。会場は薄暗くカメラは一つ(?)でもいかに試合を見てもらいたいか大事にしているかが良く分かる。

シニア戦に吉田陽菜、青木佑奈選手、ジュニア戦には島田麻央、村上遥奈選手が出場しそれぞれ1位と2位だった。男子戦もシニア・ジュニア共日本人選手が1位と2位だった。

吉田選手は全日本と4CCに続いて3AをSPに入れてきた。来季はシニアGPSに出場できると良いが、どうだろう。

青木選手も久しぶりに国際試合に出られて良かった。来季は前半にも国際試合に出られるようにと思う。

YT:2023-04-15 トリグラフ杯SP 吉田陽菜

WTT

日本の試合はピカピカのプレゼンテーションで人もお金も大量に動く。さいたまワールドも国別も明るく派手なことは他のどの試合にも勝る。設営は華やかで運営もスムーズ。

WCでもWTTでも毎回各種目のラストグループの6分間練習が始まると国際連盟の会長の紹介があり席にカメラが向けられる。まさかジャッジにプレッシャーをかけている訳ではないだろうが試合開催中に役員を紹介する必要はない、といつも思う。

昨年6月に若手が就任して良かったと思ったがその存在を強調するのは連盟の役員会だけに留めた方が良いのでは。選手が試合に臨み、その勇姿を見に来た観客も審判するジャッジも役員トップの存在など試合中に意識はしたくないのである。

そういえばWCもWTTも一番の躍進は韓国だった。男女だけでなくダンスも伸びてきている。自国から役員が出ていることが選手の意識が上がり士気も高まる事につながるのだとしたら選手にとってはプラス効果?

印象に残った演技は米ペアのクニエリム・フレィジャー組。SP・FSとも力強い息吹があった。

チャ選手とエイモズ選手のSPも良かった。ジャンプが落ち着いてきた様子のエイモズ選手はいよいよ来季は表彰台の常連になりそうな予感である。


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