2023-10-30

JGPSとスケートアメリカ

JGPS

今はジュニア女子戦が面白い。

8月末から始まるJGPSに合わせて良く仕上げてきていてシーズン初めのシニアB級試合よりもずっとまとまっている。

シニア選手たちはオフシーズン中はショーやタレント業で忙しい?

シニア年齢引き上げの話が出た数年前から予想されていた通り、技術内容もジュニアの方が全般に高い。

観戦も簡単。バートン、ハンレッティ両氏の解説はスッキリしていて忖度などは感じられない。JGPSのYT無料ライブ配信を実現するために奔走したバートン氏の子供を支援しようとする心情が伝わってくる。

YTチャンネル: ISU Junior Grand Prix

年齢引き上げで島田選手ら昨季からジュニアに上がった選手たちはジュニアを4年もやらなければならない、世界ジュニア選手権を4回もやるのか、とこちらは不満気味ではある。

一方、五輪に始まり試合運営の腐敗や競技の商業化に益々拍車がかかる様子を見るにつけ、ジュニア女子戦の内容が濃くなってきた今はよほど純粋に楽しめる。ハッピー観戦。

さすがに男子戦はシニアにはかなわない。スピード、技術、演技構成など身体能力もアート面もシニアの方が見応えがある。

JGPS7戦が終了し上位15人のうち7人が日本の選手。全日本ジュニアは激戦になりそう。韓国と米国からも良い選手が出てきている。

2023 JGPS女子戦 スタンディング

SAで大活躍

スケートアメリカには日本から男女6人が参戦した。どの選手も頼もしい。

印象に残ったのは佐藤、千葉選手の演技力の成長。

どちらも足元を見ているとスケーティング、ジャンプ、スピンどれも綺麗。基礎がきちんとしている選手を見るといつも安心する。

しかし昨季までの試合での印象を一言で言うと「顔の見えない演技」だった。演技が終わるとどんな表情だったか思い出せない。余韻が残らない。各エレメンツの質は良くても自己アピール旺盛な選手たちとの競技では地味に埋もれてしまう感でもったいないと思っていた。良くても悪くても演技後の感情の起伏もあまり見えなかった。

羽生氏に縁ある選手への思い入れとひいき目はあったがやはり自己の殻を破るのは難しいかと思い、何とかアート面が触発されて相性の良い振付師と組める様に願っていた。

今季の2人はジャッジをしっかり見ていて演技にメリハリがある。厚い前髪に隠れていたハンサムなお顔が見えてきた佐藤選手の演技は大きくなった。ジャンプのランディングが良くなった気もする。

18才になった千葉選手もしなやかな四肢が生かされいよいよ開花し始めた感。将来はウイルソン、ニコル、ディクソンらとFSを編んでみたらどうか等と思っている。

元・前・現が登場

SA女子戦のジャッジパネルを見て即、これはレビート選手に力を入れてくる、と予想した。

まず-TCに就いたのが: 2021ストックホルムワールドと北京五輪の女子戦で不当な技術判定をして間違ったチャンピオンを創ってしまった人物。昨年のISU総会でテクニカル委員に立候補して初当選した。今回は男子戦のTCも務めている。

そしてレフリーは: 米連盟の前会長。

GPSの解説はユーロスポーツの英国人が1人でやっている。長年コンビを組んでいた相棒氏は、昨季だったか、マイクのスイッチを切り忘れて不遜な悪口を世界中に聞かれてしまい以来退場となっている。

この解説者が女子戦で回転不足について妙に細かく説明しているのを聞いて「レビート上げ」予測を確信した。というのもレビート選手のジャンプは、跳び方の見た目のぎこちなさはさて置いて、テイクオフ時のエッジがほとんどフラットであることが一番の問題で、これまでの試合で見る限りは回転不足よりも頻度と重度が高い。

あれ程の前傾姿勢で減速しながら跳び上がるので両エッジに乗らざるを得ないのかと想像している。着氷時も両エッジに乗っているように見える。流れるエッジに乗りながらタイミングで跳ぶ美しいジャンプとは正反対。参考にしない方が良いジャンプ。

エッジ問題よりもq(90度)と<(90度以上)の回転不足の説明をとくとくとしている解説を聞いて、他の選手、特に日本の選手にqと<を付けてくると予想した通りの採点だった。

表彰式では米連盟の現会長と元会長も登場。レフリーの前会長と共に写真に納まっていた。3人が一堂に会した場を観るのは初めての気がする。

現会長は前会長の前に会長だった。つまり元会長が現会長になった。ワカリマスカ(笑)??

セント・ピーター氏の就任年は定かでないが順番は

2022~現在        現会長 オクシア
2019-21        前会長 キャメット
2014-18        元会長 オクシア
2009?-13    元会長 セント・ピーター 

だったと思う。

因みにセント・ピーター氏は現在ISUの筆頭評議員を務めている。昨年のISU総会で会長に立候補して2位だった記憶。

今回の米成分で良かったのはグレン選手の活躍。心無いコメントも散見されたが24歳になって一歩も引くことなく挑戦している闘志が伝わってくる。毎季パッケージングも工夫を重ねているのが分かる。

エンタメ性とノベルティーが常に求められる米文化にあって、大方の米選手は表層的な表現とそこそこの技術レベルに留まってヨシとしている印象がある。そんな習慣に甘んじることなく向上してゆこうと奮闘する姿はアメリカでは珍しい。

スケーティングを磨けば大きな恩恵を得られる選手であるとも思う。もっとジャンプが良くなり省エネにもつながるはず。

3Aの動画はXにたくさん上がっているが、こちらはYTのショート動画。

YT Shorts: 2023-10-22 Amber Glenn 3A


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ご訪問くださり大変ありがとうございます。
季節柄皆さまご健康に留意されます様に。





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