2019-11-05

シェルバコワ、トルソワ、コストルナヤのGPデビュー

3人のデビュー戦は予想通りの試合展開となった。CS戦のロンバルディア杯から始まり「シェルバコワ~トルソワ~コストルナヤ」の順番でフィギュア界を襲った大波はすでに2回発生。そして今週末からのGPS後半戦でもう1回巡ってくる。

「シェルバコワの4Lzと衣装マジック」の翌週は「トルソワの4回転」そして「コストルナヤのスケーティング美と3A」と週替わりの話題はサイクルとなってフィギュア界を騒然とさせ完全に虜にしてしまった。

GP戦のアサインが発表されるのは毎年6月。デビューにあたり3人をどうフィーチャーするか、どの順番で出すか、どのシニア(リーザ、メドべ、ザギ)と組ませるか熟考されているのがよく分かる。

ラスベガスで衣装効果と共に出陣するのは線が細いシェルバコワに最適の戦略。トルソワ初戦はクワド4本で紀平と対戦。クワドを披露するのはアメリカ、フランスではなくカナダが最適。ユ・ヨンの3Aもある高難度ジャンプで沸いた翌週は五輪チャンピオンと組ませて優雅さと美しさをアピールするコストルナヤ。3AもSPに装備完了済み。プログラムも含めパッケージングも一番フランス文化に合っている。

元・現世界女王3人との組み合わせも良く考えられていると思う-ストラテジーを2点見て取れる。

一点目は~2人一組にすることによって12月のロシア選手権の前座戦としてシェル・トル・コストルがリーザ・メドべ・ザギと国際大会でどの様に位置付けされるか見れる。昨シーズンの戦績からしてデビューの3人が年長者3人に勝つことは事前に予想されたがどのぐらいの配点になるのか確認できる。これまでの所-シェルバコワはリーザに2回勝ち、トルソワはザギトワとメドべに勝ち、コストルナヤはリーザとザギトワに勝っている。 

もう一点は組まれた2人が互いの長所によって補完しながら他国の選手との競争で優位に立つことができる。トルソワがTESで圧倒しメドべデワがPCSでリードすれば、相対的に他選手のTESは低くなりPCSも2番手3番手となる。具合によっては1位と2位を独占し6人そろってGPF出場も可能-と期待されたと想像している。この6人は昨年の露⼥王、J世界⼥王、JGPF⼥王と元・現世界⼥王でありチームとして見れば世界最強の存在。

更に新人3人はCS戦からGPS初戦へと構成を上げてきている。シェルバコワは4Lz1本から2本に、トルソワはクワド3本から4本、コストルナヤはSPの2Aを3Aへ。こうしてジリジリと攻めつつ、その上でリーザ・メドべ・ザギを大差で下してモントリオール・ワールドへの出場を決めてくれば大きな脅威となる。

試合への方針と戦略がここまで明確だと競技が面白くなり観戦の甲斐があるというものだ。

ビデオ:2019-10-27 Hanyu and Trusova side by side 4T 

今週末、シェルバコワとトゥクタミシェワがGPS第2戦となる中国杯に出場。ユ・ヨン、宮原、本田にも注目している。

今季の女子は見ごたえがあり、どの試合も気が抜けない。特にGPFは史上最高のレベルとなると予想している。


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