2020-01-08

GPFと全日本 3 コミュニケーション機能


オフィシャルと一般スポーツ観戦者

岡部氏はISUの役員(テクニカル委員会筆頭委員)、日本連盟の役員、ISUのオフィシャル(レフリーとTC)など多彩な役職を担っている。オフィシャルや組織役員、コーチや大会運営者として活躍している現在のフィギュア界のリーダー達は私たち観戦者と同じようにスケートが好きで熱心に研究し専門家として優れた目を磨きながら折々の責務にあたっているのだろう。フィギュアスケートの世界にずっと住み続けてこれまで忍耐強く発展に貢献してきた人々のお陰で現在がある。

ソーシャルメディアの浸透もありフィギュアスケートの注目度はここ数年で爆発的に上がった。羽生選手のルッツジャンプ(スケートカナダの3Lz)がグーグルの年間ヒーロー映像に選ばれ、スピン(全日本のEx)が大映像に登場して年末年始のニューヨークのタイムズスクエアを飾るようになるとは平昌の後でさえも想像できなかった。種々のメディアを通してフィギュアに興味をもつようになった人々はその数においては膨大である。岡部氏らフィギュア界のリーダー達が生きてきた時代に比べてスケート靴を履いたことがない観戦者数は圧倒的に多いと思われる。

氏のツイートの話に戻れば - 採点をした人物が慰労の言葉をオープン・ツイートで発するという行為は一般人の目には訝しく映る。奇異にとる人もいるだろう。伝統の風習「コーチは家族、家族がジャッジ、ジャッジはコーチ、息子は競技者、家族が役員、みんなで盛り上げみんなで挨拶、あなたも私も皆ボランティア、etc」に慣れ親しんできた岡部氏にとっては何等の問題があるとは思えないのであろう。

前述した通り試合の採点行為をした人物がその試合の渉外行為を一般向けにすると混乱も招く。ツイートを流せば岡部氏がTCとして決裁した採点についての質問が当然のごとく投げかけられてくるだろう。仕方のないことである。全日本だけでなく他の試合でもやってきているようで、どういう立場でメッセージを発するのか、誰にメッセージを発するのか、コミュニケーション方法の考慮など組織人としてのコミュニケーションの要点を理解できるようになれば大きな改善につながるであろう。

コミュニケーション全般

コミュニケーションといえば~GPFのプレスコンファレンスでの日本語通訳を務めた人物はプロではなくボランティアがやっていることが開口一番分かってしまった。会場に居た外国人記者たちにも明らかであっただろう。

紀平選手の練習中だったと思うが日本の連盟の役員がリンク際に何人か詰めていた様子を見かけた。あれだけの人員を送る余裕があるのならプロの通訳を雇ったらどうかと思った。先進国イタリアなら現地に優秀な人材が多数いるはずである。国際舞台に向けての準備事項のうち通訳手配は手早く済ませることができるタスクの一つである。

以前ジャーナリストの田村氏の記事でご自身がボランティア通訳を依頼されてきた状況を読んだ覚えがある。これもまたフィギュアスケートの風習と思いたくはないが(笑)1試合につきたった数日の仕事であり経費を節約する意義はあまりない。カナダやアメリカの大会で大抵有能な通訳が聞かれるのは英語圏である故か。それともプロを雇っているのだろうか。

日本の連盟は財務面に関しては超優良団体なのではないかと想像しているが、リーダーシップを欠いていればお金がいくらあっても上手く使えない。非営利団体であっても役員のコミュニケーション能力開発などを含めて組織強化を図ることは決して悪いことではない。古いことでもない。専門のサービスを提供するコンサルティング会社はたくさん存在する。

現連盟長が就任直後に「ファンのために」と決意を込めて懸命に出したツイートも選手の写真入りで出したツイートも逆効果となり非難されてしまった。何をやっても裏目に出ている様子に同情の念すらわいてくる。

そういえば岡部氏のツイターはアドレス「@QzrWQ5xVuMyTrCA」からして明らかに個人アカウントである。公人としての発言をしたい/すべき状況が将来も出てくるのであれば適切なアドレスで専用アカウントを設定することも一考であろう。


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ご訪問ありがとうございます。

新年が皆さまにとって健康で明るい1年となりますように。
Happy New Year!
Bonne année!




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