2020-11-14

ロシアカップ第4戦とGP中国杯

ロシアカップ第4戦

まだ本調子ではない様子だがやはりスケーティングが美しくスピードがあるコストルナヤ選手。フリーレッグの振り上げなどでスピードを出しているのとは全く違う。ジャンプ着氷後エッジが美しく流れる2Aは秀逸。

テストスケートで気に入ってしまったSPはロザノフ&イリニフコーチの振付けらしい。淀みなく滑りながら上半身の動きはソフィスティケートされていて演技に引き込まれてしまう。

待っていたFS- 映画ノクターナルアニマルズの音楽で始まり続いたのはメドベージェワ選手がシニアデビュー時のFSに使った曲。調べてみると同じ作曲家コルゼニオスキー氏によるものであった。ウィムジカルで気ままな雰囲気がコストルナヤ選手の美貌を際立たせている。

昨季の紀平選手のSPでも感じたが、スケーティングの良い選手がシェイリーンの振付けをこなすと足元は大胆に弧を描きながらも安定し身体は個性的な振付けを自在にできてインパクトのある演技になるように思う。

衣装は両方共とても綺麗- SPは昨季の血がしたたっていた!FSの衣装カラーと似ている。アンシンメトリーなカットにハートの熱気?のアクセントが効いている。少し丈長、ソフトカラーにダークカラーのアクセント、と着こなすのが難しそうなデザインのFS衣装もコストルナヤ選手の気位の高さによるのか完全にモノにしている。

髪も美しいシニヨンをSP・FSそれぞれ粋にアレンジしていてパッケージングは満点。ロシアの選手は皆抜かりがない。日本の選手も是非見習ってほしい所だ。

パッケージングはあくまでも二の次でありアスリートとしての資質が一番大事なのかもしれない。また誰でも高価な衣装を準備できるわけでもないだろう。採点にどれ程影響するのかも定かではない。しかしプログラム内容に沿ったビジュアルと身体的特徴を強調するプレゼンテーションを研究・準備して演技と共に披露することはPCSのパフォーマンス、コンポジション、音楽の解釈などの採点にプラスに働くことはあってもマイナスになることはないはずだ。

ロシアカップのボーナスポイントは目くらましのようと思いつつも- 4本のクワドが決まればいつかは国際大会で170点を超えるであろうことを再認識させたのはトルソワ選手のFS。ボーナス6点を引くと165.21点で昨季GPスケートカナダで1本転倒で166点だったことからすれば十分可能性がある。タラソワ氏が言っている通り世界記録更新は遠い話ではないだろう。今は記録を公認できる国際試合の開催が難しいことの方が障害である。

高得点ジャンプに注目しがちだが課題のスケーティングもモスクワでの第2戦より良くなっていると思った。また昨季後半は練習がおろそかになっていた印象があったスピンも向上しているように見えた。

SPはラブリーなイメージを打ち出したプログラムが成功していてチームトルソワの勝利と思う。最後のレイバックスピンに入るまでのステップの流れも生き生きとしている。衣装も春の萌える息吹を表したようなデザインでディテールも凝っている。

FSはまだ仮衣装? コレオ(ChSq1)から始まる曲はこれも又コルゼニオスキー作。映画音楽を多く手掛けている氏の作品はフィギュアでよく使われているようだ。宮原選手の18-19シーズンSP「小雀に捧げる歌」も氏の曲だった。 

トルソワ選手のエレメンツ構成は昨シーズンから変わっていない。ジャンプの軌道もほぼ同じようである。クワド4本を成功させた昨季のJOの演技を見るとよく分かる。衣装も同じものに手を加えている。

ビデオ:2019-10-05 JO Alexandra Trusova

ビデオ:2020-11-09 Russia Cup 4 Alexandra Trusova FS

転倒が2回あっても最後のジャンプを3Lz+3Tにできるのはトルソワ選手ぐらいだろう。しかも3Lzは着氷が綺麗にのび余裕で3Tを付けている。

しかしさすがに最後のステップはガス欠気味に見えた。振付けをこなし切れないと振り回されているような動きになり幼く見えてしまう。クワドを4本入れるのならやはり成功させることが勝利へのカギとなるのだろう。

ジュニア戦で優勝したアカチエワ選手も凄かった。第1戦のFSでは3A1本と4T1本だったのを今回は4Tを1本増やしている。2位のジリナ選手も1本は転倒したが4Tを2本入れてきた。

アカチエワ選手、ジリナ選手は国際基準ではまだノービスの年齢で来季やっと正式にジュニアに上がれる。シニアデビューは2023-24シーズンとなる。

ロシアカップのシニア戦に出ているワリエワ、ウサチェワ、フロミフ、フロロワ選手は正式には今季はまだジュニアで来季2021-22シーズンにシニアデビューである。

ノービス選手をジュニア試合に、ジュニア選手をシニア試合に出場させどんどん経験を積ませる- ロシアの選手は逞しく鍛えられる訳だ、とあらためて思った。

GPS中国杯など

男子ジン、ヤン選手と女子ホンギ選手を見れた。小規模でもスケートアメリカの後でやっと国際大会と思える試合だった。現況でどれ程練習が積めているのかは地域によってかなりの差があるかと想像している中、シングルの選手がプログラムを2本まとめている様子を見ると安心する。ボーヤン・ジン選手のクワド、ハン・ヤン選手のアクセル&スケーティングは健在。また見たい2人であるが今季はもう機会がないかもしれない。

西日本、東日本選手権も良い試合だった。気になっているのは宇野選手と紀平選手。ロシアでも日本でも他の選手たちはすでに2~3試合こなしている。いきなり全日本出場に合わせてアップできるのか気にかかる。

おそらく今季2試合出れるかどうかという所でプロモーションビデオまで作ってもらって随分お金をかけた様子の紀平選手の新プログラムは楽しみではある。練習で伸び伸び演じているビデオは良かった。これ程の能力を持った選手が難しいプログラムを演じきれるのに不思議はない一方、紀平選手にとっては試合出場がカギではないかとも思っている。オーサー、沖縄、ランビエル、新プロ2作、トヨタ、リショーと、とりとめなく話題が断片的に発生しても試合への調整を行わずにどう進歩できるのか分からない所がある。ジュニア時代2年とシニア2年を経て紀平選手の傾向が見えてきた感がしており今が五輪ロードの大きな分岐点かと想像している。

全日本にはランビエルコーチの入国が可能になり2人に帯同できるようにと思う。

来週末は全日本J選手権とGPロシア杯が始まり、モスクワではトップ女子選手が競い合う。国際試合が少ない今季、ロシアと日本のお陰で試合を観れて嬉しい。テストスケート、ロシアカップとレベルの高い競技がライブ放映され有難い限りである。


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ご訪問ありがとうございます。

皆さまどうか毎日安全に過ごされ益々お身体を大切にされますように。





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