2020-12-02

GPS2戦 露杯とN杯

ロステレコム杯

コリヤダ選手は更に良くなったと思った。ヌレエフの半生を描いた映画音楽、アベルブフ氏の振付け、ミーシンコーチのいたわりが支えるメンタル面- 全てがハマり本来の才能を一気に輝かせているように感じた。

何事にも真剣に向き合い真面目そうに見えるコリヤダ選手。普段あまり笑わない印象だがFSのK&Cでは嬉しそうな様子だった。ミーシンコーチも喜んでいて温かい雰囲気。

ヌレエフの純粋さとコリヤダ選手の真面目さが相まって、動きの美というかパフォーミングアートを極めようとするアーチストの一途な心が表現されているプログラムと思う。ゆるぎない技術基盤を持っている選手だからこそ可能な演技なのだろう。

スケーティングはいつ見ても美しい。不調をくぐり抜けてここまで戻せるのも基本のスケーティングが良いからかと思ったりしている。

トルソワ選手はSPの3A着氷時に怪我をしたのではと心配になった。そうだとしたらロシア選手権までに完治するようにと思う。

やっとお披露目のFS本衣装。登場して最初はデザインも色合いも良いと思った。しかしスパイクが出てきて印象はマイナスになってしまった。アスレチックなトルソワ選手の演技はどちらかというとジュリエットというよりもロミオ風ではある。しかしスパイクは何を表しているのか分からず意味不明でプログラムにそぐわないと思った。

SPはパッケージングも成功している。FSでは一転しこれは一体どこから出てきたアイデアなのか。思いつきで趣向をこらしただけかもしれない。仕掛け作業にもたついているトルソワ選手を見て余計なことに気を取られて負担になっているように思えた。

トルソワ選手の身体能力は現役女子選手の中で一番高いと思われる。その才能を最大限に引き出すプログラムをプロデュースするに小手先の芸は不要に思う。

衣装イル―ジョン等は観戦する者の目を楽しませてくれるが試合では一度見れば十分である。昨季のシェルバコワ選手の火の鳥の衣装替えも最初のテストスケートの折に目新しさを感じたが同時にシーズンを通してこれから毎回見なければならないのかとも思った。その後の6回の試合では観客受けしていたようで好みの問題かと思っている。

パッケージングは大切だが衣装などが競技採点のプラスに働くかマイナスとなるかはプロデュースする側と採点する側のセンスによるのだろう。両腕にトゲを立たせてステップが始まる趣向がはたして国際ジャッジにウケるのかどうか分からない。

今季のFSではミステリアスでほんのりとセンシュアルな雰囲気も出しているコストルナヤ選手、いつも上品な育ちの良さを感じさせるザギトワ選手や、今回優勝したトクタミシェワ選手の演技の色合いなどロシアのトップ選手のプログラムには皆それぞれの特性が生かされている。

本人の意向は分からないが、トルソワ選手のアスレチシズムが存分に発揮されれば奇をてらった仕掛けなど加えなくとも充実したプログラムになるのでは、と思った試合だった。

NHK杯

露杯が終わり全日本J選手権と2試合について記事を上げたい予定だったが全日本Jを見る時間がとれないままNHK杯が始まってしまった。

大会の一番滑走の松生選手が中央にセットインし全日本Jチャンピオンになったのだなと思い見ていると- 滑り始めた途端に驚いてしまった。前回見たのは昨季の全日本Jだったかあまり印象には残っておらず格段に上達しているスケーティングに目を見張った。

ルッツは難しい入りで離氷・着氷が美しく、見とれているヒマもなく流れるように跳んだアクセルの着氷後はずっと片足で滑っていてその上フリーレッグを上げている- 最初の40秒で魅了されてしまった。スピンもトランジションも素晴らしかった。

これは早くも70点台中盤か、と思ったのはそれまでロシア試合を見過ぎたせいか- 要素の取りこぼしはあったがロステレコム杯並の採点であればGOEとPCSはもっと高くなるだろう。N杯女子戦は松生選手だけでなく全般に採点は低得点だった。

安定した坂本選手は負け知らずでこのまま全日本まで突進しそうである。樋口、ユ、河辺選手が3Aに挑戦したのもよかった。女子戦で3人も跳んだのは史上初??

注目の村元・高橋組のデビュー演技は想像していたより良かった。高橋選手がダンスを始めると聞いて最初に思ったのはリフトのこともよりもスケーティングをどうするのかということだった。シングル時代は、あれだけ踊れるのだからエッジを巧みに操るだけでなくスケーティングをもっと磨けば更に一段上がれると思っていた。ダンスではシンクロする滑りや規定要素の質を判定される。1人で自由に滑るのではなく相手と合わせてゆく練習が大変だろうと想像していた。

世界が注目する中で随分緊張していたのかSP6練ではパートナーから離れて1人で先に行ってしまい村元選手が追いかける場面も見られた。

コレト選手の国籍取得によって実力からみれば個人戦の五輪出場は小松原組の可能性が高くなり、今後村元・高橋組の目標と連盟の意向がどう展開するか興味深い。今の所、村・高組が五輪に行けるのは- 小松原組が世界選手権で確か10位以内に入り2枠取れた場合か五輪個人戦には日本からは誰も出場できなくなり団体戦に送るチームに選ばれた場合と思われる。可能性は低そうだが、世界選手権に2組出場し順位合計が28以下の場合にも五輪個人戦に2組出場できると記憶している。

紆余曲折を経てアイスダンスに辿り着いた高橋選手には心ゆくまで極められるように思う存分挑戦できるようにと思う。

GPS戦は一応国際大会であるが種々の運営はほとんどローカル主導だった。試合結果のページは通常ISUサイト上に置かれるがSA、中国杯、露杯はローカルアドレスだった。

N杯は唯一ISUアドレスで表彰台写真の入った総合プロトコルも掲載され通常運営だった。表彰式で選手が自分でメダルをかけたのは良かったが露杯でやっていた国歌演奏はなかった。会場運営はSAと中国杯が良かったと思う。

これでGPS終了となりN杯は今季最後のA級試合となるかもしれない。現況下で予定日程通りよく4試合も開催できたものだ。改善点などが各国に知られてそれぞれの選手権などこれからの試合に向けて生かされてゆけば良いと思う。

試合開催には色々な事情が付きまとうとはいえ、やはり無観客試合が望ましい。気を弛めずにこれからも安全第一の運営を願っている。


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ご訪問ありがとうございます。

皆様くれぐれもお元気で安全に過ごされますように。




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