2021-08-24

東京五輪など1 観戦メモ & 文化大国

競技観戦

五輪の観戦とニュース追い、ワクチン接種、夏バテなどで気が散ったりのんびり過ごしたりで書き始めて仕上げることができない記事が数本たまってしまった。

オフシーズンでもフィギュアの話題も多く情報を上げてくださる方々のお陰で色々読んだりで気が付けば冬季五輪シーズン21-22が始まっている。

東京五輪の2週間はあっという間だった。楽しみにしていた新体操、サッカーとダイビングを観れて大満足、大感動。多難な開催だったがやると決まったらなるべく見ようと思い他の競技も時間が許す限り観戦した。テレビ、携帯、PC総出動。アプリケーションも複数使ってみて一段とスクリーンタイムが増えた夏となった。

注目していたサーフィンはこれからは世界選手権も観たいと思っている。一つとして同じではない大波をサーファーが巧みに乗り切る姿を観るのは爽快。選手たちの膝と腰の強さに目を見張った。女子戦優勝のアメリカのムーア選手はしなやかで力強い。男子優勝のブラジルのフェレイラ選手は最高のアジリティを見せてくれた。

今は漫然と見ているだけだが競技形式も良く知りたい。100%採点競技でしかもトーナメント方式とフィギュアスケート常習観戦者としては最初から疑問が沸きそう(笑)な世界。今回初めて五輪で競われ、これから形式が変わったりするだろうか。サーフィンを実施するには内陸国による夏季五輪ホストは難しくなるのかとも思った。様々な事情で五輪に定着せず出たり入ったりする競技もあり毎回検討してゆくのかもしれない。

チャイコフスキー協奏曲

ロシアはここ10年近く各種スポーツの国際大会、五輪でドーピング違反をしてきたことが明るみになり制裁の一部として競技会で国名、国旗、国歌を使えなくなった。東京五輪の表彰式ではチャイコフスキーのピアノ協奏曲を使うと知って楽しみになってしまった。

こちらは超絶技巧で知られるユジャ・ワン(王羽佳)のフィンランド放送交響楽団との協演。トレードマークのボディコンミニスカートとピンヒールでカリスマ性を存分に発揮している。

ビデオ:2012年9月7日 チャイコフスキーピアノ協奏曲第一番

ピアノも良いがチャイコフスキーのバイオリン協奏曲も美しい。久しぶりに音楽界のみどりさん、五嶋(ごとう)さんの演奏を聞いてみた。CDが出ているのは1994年のベルリンフィルとの協演。

こちらは30代になった五嶋さんとN響の公演。ビデオは古いが五嶋さんの魂の響きのような美しい旋律はいつ聞いても変わらぬ感動を生む。楽器も大曲もバーチュオーソ五嶋さんの身体の一部であるかのように自由自在に奏でている。

ビデオ:2002年6月24日 チャイコフスキーバイオリン協奏曲第一楽章

天才少女として注目されるようになった五嶋さんは若い頃から心の病と闘いながらも演奏家としてだけではなく教育者としても財団を設立して社会貢献を始めている。今年アメリカで文化人に送られるケネディー・センター名誉賞を受賞しホワイトハウスにも招かれた様子。

ビデオ:第43回ケネディー・センター名誉賞 五嶋さんの紹介

受賞関連のインタビューでは有名なタングルウッドの奇跡(演奏中に弦が切れてしまった事件)が映像と共に紹介されている。

ビデオ:2021年6月 五嶋さんインタビュー

Prodigy

最近注目しているのはバイオリニストの村田夏帆(なつほ)さんと吉村妃鞠(ひまり)さん。モスクワで年末に開催されるシェルクンチク(くるみ割り人形)国際コンクール弦楽器部門の2018年、19年の優勝者である。

14才以下の若い才能を発掘するためのこのコンクールは前年の優勝者たちが演奏するオープニングコンサートで開幕し、1次、2次、ファイナル審査、優勝者のガラコンサートとフルスケールで行われている。子供向けのコンクールとはいえショー要素もあり豪華なプロダクションである。

2019年コンクールのオープニングコンサートでは前年度の優勝者として12才の村田さんがチャイコフスキー協奏曲第3楽章を見事に披露した。

ビデオ:2019年12月2日 オープニングコンサート 村田夏帆(11:05あたり)

勢い込んでかなり飛ばしているように聞こえるが第3楽章だけ聞くと誰の演奏でも大体同様の印象を受ける。進むにつれて音色が粗くきしんで聞こえるのは弓のせい?

村田さんはフレージングが素晴らしく他の曲の演奏を聞いてもどれも曲のスピリットを最大限に表現している。アーチストとしての情熱は高度の技巧の上に表現の花弁を大きく開いていて年齢、国籍、人種を超えて感動を呼ぶ。村田さんもピアニストの辻井氏のようにライブ演奏に魅力があるアーチストになると思う。

演奏は省略版ではなくオリジナル版の楽譜に基づいているようだ。因みに五嶋さんはチャイコフスキー協奏曲に関してはどの演奏も省略版でやっている様子。どのバージョンを使うかは公演や録音ごとにソリストとオーケストラの意向で決めるのだろうか。

当時8才でコンクールに臨んだ吉村さんは一次審査でチゴイネルワイゼンを演奏。優雅な音色と曲の情感で聴衆を魅了した。

ビデオ:2019年12月 1次審査 吉村妃鞠(1:02:15あたり)


バイオリンはハーフサイズ? 4分の3? 4弦全部にアジャスターが付いている!!のは村田さんと同じ。

審査員たちも遠い小さな国から来た小さなアーチストを惜しみなく称えている。演奏後の拍手はまるでアンコールを求めているかのよう。コンクールにアンコールはないのだ(笑)

昨年から吉村さんもチャイコフスキーバイオリン協奏曲を第一楽章だけ何回か公演している。これ程高難度の曲をスイスイ弾いている。音色は天上の甘美さを感じさせる。もう10才になった?

ビデオ:2021年6月23日 シンフォニック・シネマ(4:55あたり)

文化大国

フィギュアでもロシアでは数多のショー、試合、テスト試合がある。テレビ局主催のこのコンクールを見ても如何にロシアが文化に注力しているかよく分かる。

大作曲家だちが残した遺産もそれを引き継ぐ若い才能も自国に溢れているロシア。歴史の長さと層の厚さが文化芸術活動を確固たるものにしている。人間と社会を豊かにするものとして芸術やスポーツが尊重されていることが分かる。芸術の真価を理解しているからこそ国籍や人種に関わらず参加・評価できる青少年向けの国際コンクールも可能なのであろう。

スポーツ競技会でのロシアへの制裁は確かあと1年続き北京五輪でも優勝時には又チャイコフスキーが流れると思われる。冬季五輪はバイオリン協奏曲にしたらどうか、交響曲は切り口が難しいか等と勝手に思ったりしている。チャイコフスキーならどれも壮大で華やかでロシアらしく表彰式を祝うのに相応しい。

しかし- ドーピングは良くない。スポーツ&芸術の文化王国のロシアに相応しくないのでやめた方がよい。

アーチストとしても人間としても円熟してゆく過程を見せ続けてくれる五嶋みどりさん、徹底的に個性を追及するユジャ・ワン、これからが楽しみなプロディジー村田さんと吉村さん、そして五輪に参加したアスリートたち- 芸術やスポーツに携わる人々の一瞬一瞬に全魂を傾ける姿は私たちに喜びと勇気を与えてくれる。ひたむきな姿に心を洗われる。

演奏活動や競技会が完全に復活するまではまだ時間がかかるだろう。COVID19前の状態にはもう戻れないという見方もある。

東京五輪は何とか開催され北京五輪も中止はないと予想される。ウイグル問題でボイコットする国は出るかもしれない。いずれにしてもどのイベントでも施行可能なパンデミック対策を願っている。安全第一でアーチスト、アスリートと関係者が確実に守られるような運営をすることも文化大国の役目かと思う。


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ご訪問ありがとうございます。応援くださり感謝しています。

皆さまもご健康に留意され引き続き安全に過ごされますように。




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