2022-02-07

北京五輪1 団体戦SP

ワリエワとスイ&ハン

4種目の後半グループの演技をライブで見れた。印象に残ったのはこの2組。

どちらも国の期待を一身に背負っている緊張感が決定とした意志に還元されて最高の舞台で無限の力が湧き出ているように感じた。

15才のワリエワ選手は出発前?に代表として大統領に挨拶までしている。後方にコーチ陣も座っている。

YT: ワリエワ選手の挨拶

どれ程練習してきたのだろう。どれ程のプレッシャーを知覚しているのだろう。演技出だしは少し蒼ざめてみえたが3F、コンビネーションスピンのあたりから闘争モードが見えた。

4年サイクルにピッタリ合った年齢、恵まれた容姿などワリエワ選手が持っているモノはたくさんある。その中でもメンタル力はピカ一、とまた思った。何かと話題の多いトゥートベリーゼ・チームだがワリエワ選手のことは昨季からシニアの国内戦に一つも逃さずに出場させたりと2年かけてじっくり純熟させてきた印象である。

スイ・ハン組の演技には他の誰も寄せ付けない気迫がある。ミーシナ・ガリアモフ組は整ってはいるが- ロシアの伝統的な滑りと呼べば良いのかもしれないが滑りも振付けも古い感触を受ける。どこかで見たことがあるような演技に思えてしまう。

111.82 > 111.71 > 111.68

ネイサン・チェン選手のSP111.71点は世界記録(2020年4CCの羽生選手 111.82)より僅かに低かったが五輪新記録となった(2018年平昌五輪の羽生選手 111.68)。

毎度のことだが得点を微妙に微調整していると想像している。職人芸と思うことすらあるが逆算すれば良いだけでシートでできるような単純計算である。思い出すのは平昌五輪の女子FSの1位と2位の採点- TESとPCSを違えてトータルが同じだった。総合2位になる選手がFS1位になるように配慮もしたと思ったものだった。

因みに五輪記録と言ってしまったが- IOCではフィギュアスケートや体操においていわゆる五輪記録は登録していない様子。審判競技ゆえだろう。その上フィギュアの場合ルール変更が頻繁で基準は五輪開催ごとに変わっている。現行システムになってからの五輪を思い出すだけでも- トリノ、バンクーバー、ソチ、平昌、北京と毎回基礎点や基本ルールが変化している。

演技そのものは今一つだった。エレメンツを必死にこなしただけの感。ジャンプのURもあったよう。

ストリートダンス調の動きからはアズナブールのシャンソンは伝わってこない。2019年トリノGPFの折はジャッジ席に座っていたフランスのアントニ-・ルロワ氏には歌詞でアピールできたのかと訝しくなったのを思い出した。ルロワ氏は北京でも男子の団体戦と個人戦に予定されていたが入国トラブルでもあったのか代わりのジャッジが入っている。

NBCを始め大袈裟な報道は予想通りだった。

コロナの影響はオフィシャルズにも?

団体男子戦のジャッジで予定されていたFRA(フランス)とLAT(ラトビア)がおらず代わりにAZE(アゼルバイジャン)とCAN(カナダ)が入った。

FRA    LEROY Anthony
LAT     ABELE Agita

AZE    KLIUSHNIKOV Yury
CAN    LEBLANC-RICHARD Nicole

27日付けの2454以後に発生したと思われるが正式の通知は出ていない。

AZEのジャッジは本来女子の団体&個人戦に、CANのジャッジはダンスの団体&個人戦にアサインされていると思われる。CANのジャッジはフランス語圏の人物。ルロワ氏に代わってチェン選手の「ラ・ボエーム」の歌詞を聞いてくれたのだろう。

更に団体女子戦のTCが予定されていたSWE(スウェーデン)のビロウ氏に替わり男子戦のレフリー役(個人&団体戦とも)に就いているITA(イタリア)のビアンケッティ氏が5日付けで急きょTCアサインとなった。   

SWE    BILLOW Emilie
ITA        BIANCHETTI Fabio

IOC: Competition Officials
(注:このPDF文書はリンクは同じまま最新情報があがる。現時点では2月5日付けの文書。後に更新される可能性がある。)

FRA、LAT、SWEのオフィシャル達は急に渡航できなくなったのか?

3人ともリストには名が残っており入国後に陽性反応が出たのかもしれない。

女子個人戦のTCはどうするのだろう。まさかビアンケッティ氏が務める訳にはゆかないだろう。男子戦のレフリーが女子戦のTCも牛耳る- 規則上制限はないのか。繰り返しになるがレフリー、TC、ATSは抽選ではなく連盟の任命で決まる。現地に集っているであろう評議委員らがビロウ氏の代わりにビアンケッティ氏起用を決めたと想像される。

AZEとCANは- 既に現地入りしていて、シングルス&ペアのジャッジ資格があり、既に抽選されている国以外のジャッジ、との条件を満たす国から抽選されたと思われる。各国の連盟に連絡し、集合してもらい、抽選を行う等々コミュニケーション一つを図るのも大儀か。

ISUの役人も各国の連盟もどの選手も「コロナ付五輪」という未だかつてなかった状況下で過ごしていて不測の事態が起きた場合などは混乱が想像される。毎日毎時臨機応変に対処してゆかねばならず苦労が多いだろう。「自分に集中したい」「演技に集中したい」選手たちへの負担はなるべく少なくなるようにと思う。

選手だけではなくオフィシャル達も同じ様にコロナの影響を受け、それぞれの国から渡航してくる訳で現地では何かと変則的に対応しているのだろう。

2年もパンデミックをやってきて、こうなることは早くから予想できていたはずだ。ジャッジ抽選や選出について危機管理とまではゆかなくとも、様々なシナリオを想定し余裕をもった準備ができているのか疑問である。

偏向採点問題は永遠に解決できそうもないが、少なくともジャッジ抽選、任命、配置についてのプロセスや規則は公平に厳格に適用・施行できるように願っている。

IOCとISUのレポート機能

大勢に影響ないが、ご参考まで-

団体戦SPはIOCのレポートページとISUのリザルトページ両方を流しながら観戦した。

PDF書類が上がってくるのは全てIOCの方が速かった。随時様々な内容を上げていてISUのリザルトページの様に整頓はされていない。五輪終了後一冊のプロトコルとなるはずだ。

IOCレポートページ

ISUリザルトページ


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ご訪問頂きありがとうございます。
皆様どうか安全に過ごされますように。もう少しの辛抱ですね。



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