2022-02-23

北京五輪2 ダンスの魅力と個人戦オフィシャルズ

チョック・ベイツのFD

エイリアンと宇宙飛行士のロマンス- この素敵なプログラムは2人の魅力を存分に引き出していてパフォーマンスもハイレベル。昨年スケートアメリカで見て以来気に入っている。

チョック・ベイツ組の演技はいつ見ても新鮮。エレガントでスタイリッシュな振付け。パッケージングも完璧である。2シーズン演じたスネークダンスも良かった。奇をてらったプログラムなら何でも良いという訳ではないがオリジナリティに溢れたダンスのプログラムにはいつも引き込まれる。アメリカのチームらしくエンターテイメント性が高い。

エレクトロ・ミュージックがプログラムのトーンをキメている。使っているのは Daft Punk (ダフト・パンク)による3曲。冒頭の Contact には1970年代初め?に月面着陸をしたアポロ17号船長の飛行中の音声が入っている。プログラムで聞こえる声が原曲のモノかどうかは分からない。

名前をコールされてから既に演技が始まっている。エイリアンが腕を怪しくしならせながらスタートポジションに着く。

クラシックなプログラムも良いが見る側の基準は高くなる。同じ音楽とテーマならフィギュアスケートでなくとも他のパフォーミング・アートの方が水準が高いことが多い。ありきたりのプログラムではよほど技術と演技が良くなければ滑りも振付けも魅力が半減する時もある。

アイスダンスの大方は男女のやりとりを優雅に描くことになっていて雰囲気は定番化している。特に五輪ではアスレチシズムに埋もれてしまう感で何らかのテーマやストーリーがないと大味で没個性となる印象で見ていてもつまらない。エッジワークとリフトを見て、と言われても男女シングルスとペアでも美しい滑りを堪能できる。

チョック・ベイツ組のプログラムはどれもよく練られていて訴えるものが明確。スネーク役もET役も演じられるマディソンの美しさをエバンがリードしてゆく演技はとてもアトラクティブ。ひざ下だけを支えられて立ち上がるリフトが高い。呼吸がピッタリ合い団体戦はロシアをかわして見事1位になった。

個人戦でも4位。RDの僅かなアクシデントが惜しまれる。パフォーマンス、構成、解釈はシニツィナ・カツァラポフ組、ハベル・ダナヒュー組より良かったと思う。

世界選手権でも楽しみにしている。

異例の個人戦オフィシャルズ運営

すでに終了した試合のパネルに興味がある方はあまりいないかもしれないが1点綴っておきたい。

男子戦では予定されていた13ヶ国のジャッジのうちLAT(ラトビア)は遂に登場しなかった。抽選では団体戦・個人戦両方に選ばれていた。団体戦では前記事に記したように別の国のジャッジが入った。

個人戦ではLATなしで、つまり12ヶ国12人のジャッジでSPとFSが審判された。よって通常は13人の内5人が両方、4人がSPのみ、4人がFSのみとなる所、6人が両方、SP・FSのみがそれぞれ3人となった。

規定で13人の所12人でやる- これまで五輪でも世界選手権でも見たことがない。フィギュア規程書によれば例外的な事態が起こった場合、会長やフィギュア部門の副会長が采配できるようである。

女子戦では更に少ない11人のジャッジで、SP・FS両方に7人が座りSPのみ2人とFSのみ2人となった。本来偏らないようにするために13ヶ国抽選している所SPとFSのジャッジの77%が同じ人物によって採点されることとなった。

BELとFINが抜けている‐ 団体戦・個人戦両方に抽選されていたBELは両方とも欠席。FINも団体・個人両方に選ばれており団体戦にはジャッジ席に座ったが個人戦では2月15日付けでレフリーに任命されてジャッジ役から外れた模様。団体戦レフリーを務めたISRのザイドマン氏に何かあったのだろう。

IOC:Competition Officials

ダンス戦も12人だった。抽選された13ヶ国が揃ったのはペア戦だけだった。










人数が少なくなればその分採点傾向が偏ることになる。単純な事だ。既にルールに従って評価しないという良からぬ偏向採点となっている審判行為で益々公平性を欠くことになる。

コロナの影響か異例だった北京五輪のジャッジング運営。今後の試合に悪影響がないことを願っている。


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ご訪問くださり大変有難うございます。
皆さま季節柄ご健康であられますように。






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