2022-07-28

プロのアスリート

7月19日記者会見

遂にきた。

思えば平昌五輪が終わってからはシーズン開始のたびに現役続行かどうか注目され、あっという間にさいたまワールド、シニア10年め、ストックホルムワールド、北京五輪など佳節や試合がやってきては過ぎていった。

今回は遂に競技を辞めるのかと思いつつ- 羽生氏ほどになると引退を表明するにも大変で事前から一騒動。会見後には特集番組・イベントなど大量のコンテンツが発生。上手くまとめてくださる方々のお陰で効率よく見れる。しかしそれでもとても全部追えそうにない。

会見はポジティブな言葉と表現で羽生氏らしい話だった。ご本人からの発表は7分半近くとちょうどSPとFSを合わせたような時間で(!)滔々とした決意が世界に伝わったと思った。

去就表明などではなく決意発表とタイトルからして前向きでよく考えられていた。

「プロのアスリートとしてスケートを続ける」

「スポーツであるフィギュアスケートを大切に」

「更に高いステージへゆけるように」

辞めることではなく続けることの発表。4A挑戦も続けながらショーの世界で技術を落とさずにあくまでもスポーツを追及するアスリートとして新境地を開いてゆく。

次の舞台へのプランは希望に満ちている。

競技の終わり

観戦者としてのこちらは競技への未練はタップリある(笑)が- 凛とした姿や先月のアイスショーでの様子からスッキリと前進していることが分かり安心した感を持っている。

宮原知子氏の折も競技未練があった。カナダのショーから始まり羽生氏と一緒のショーでものびのび生き生きと滑っていた。美しいエッジワークと何よりも充実して楽しそうな姿を見てこれが彼女の本舞台かと思い直したりしている。

会見での羽生氏の言葉は

「競技者として他のスケーターと比べ続けられることはなくなった」

だった。

これからも昔の自分や周囲の期待等と競い続ける、との事。他のスケーターと比べられる場は終わった。終えた。

オフィシャルズにとっては羽生氏を評価できる機会はもうなくなった事になる。

スケーティングスキル、トランジションなどPCSの満点を出す機会はこれまで何回もあった。個々に10点を出したジャッジは数人いるが総合で10点満点が出たのは2015年GPFのSPでの「パフォーマンス」と昨年末の全日本SPの「音楽の解釈」だけだった。

手元の記録ではPCSの自己ベストはSP・FSとも2015年GPFでの記録(49.14と98.56)である。確かに色々な意味でスゴイ試合だったがそれ以降滑りも演技も良くなっているにも関わらず6年間(!)点数は上がらなかった。満点に近いPCSを出したのでそれ以上の点数を付けることが難しいのは分かるが下げる必要もなかったはずである。

ISU公表のジャッジとレフリーは54ヶ国から全部で数百人存在する。彼らの多くはシリアスエラーという無意味なルールに盲目的に縛られたり採点競技の魔の手にやられたりして、おかしなPDFを発行し続けてきた。

TCとTSは200人ほどいる。ジャッジのGOE&PCSほどの頻度&程度ではないがここぞという試合では妙な判定をして基礎点を下げてきた。

ISU: 2420 List of Officials for 2021/22

因みにJSF(日本スケート連盟)は組織としてはまだ開発途上なのかオフィシャルのリストを出していない。その名「オフィシャルズ」の通り公的機能を果たす人々の名前は公開されてしかるべきだ。

いずれにしてもジャッジ、レフリー、TC、TS達に羽生氏を採点する機会はもうない。最高峰の秀逸な滑りと演技を採点する栄誉はもうやってこないのである。観戦する側には随分前から分かっていたことであるが果たして彼らに自覚があったかどうかは甚だ疑問。

GOATを他のスケーターと比べて相対的に落とす場を失った彼らの新しいレジームは何か。露女子用10点上乗せ芸も当面は発揮する場がなくなり虚脱感がありそうだ。6月の総会で新人事がスタートしルールもかなり変わり当面は何かと忙しく手一杯といった所か。

総会のアウトプットについては次回綴ろうと思っている。


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皆さま安全・健康であられますように。
 



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