2023-01-01

22-23シーズン前半のあれこれ1

忙しい秋

今シーズンは注目しているジュニア女子選手を見ようと8月のJGPS第1戦から始まりファイナルまで随分観戦した。コロナで国際試合参戦の機会を失ったジュニア世代がどんな滑りをするかと思っていたが想像していたよりずっと良かった。

この秋も忙しかった- 

JGPSとGPS観戦に加えて3年ぶりに美術館・博物館巡りを復活した。劇場通いはまだオアズケで来年から始めるか、と思っていたら中国の感染爆発でまた先行きが見えなくなった。

そしてカタールでワールドカップが始まり決勝戦までかなりの試合を観た。東京五輪のサッカー戦も楽しんだがW杯の面白さは格別である。

島田選手

B級試合、JGPS、GPS、ファイナルを通じて女子選手で一番仕上がっていると思ったのは島田麻央選手だった。

2年前NHK杯でシニアデビューした松生選手を見た時と同じでJGPS第2戦(チェコ)で国際試合にジュニアデビューした島田選手の成長ぶりに驚いた。

ノービス時代はジャンプとスピンのエレメンツがチャカチャカと繋がっている感だった。ノービスに期待する方が間違っているがプログラムから何か伝わってくることはなかった。足がしっかりしていてジャンプをきっちり跳べる印象でシニアになったらどんな選手になるか楽しみだった。

JGPS戦ではエッジさばきもスケーティングもとても良くなった姿を見せていた。エレメンツを余裕でこなしジャッジをしっかり見ながら演技している。個性を生かした振付けがよく映える。ジャンプも良いがスピンはすでに一級品。

濱田組の選手の国際デビューはいつも世界を驚かせる。プログラムの完成度の高さ、エレメンツの質の高さを持った良い選手が次々と出てくる。プログラムも宮原さんの惑星や紀平選手のビューティフルストームなどユニークなものが多く新鮮で観る者を惹きつける。

今季のSP・FSはどちらも14才になったばかりの今の島田選手によく合っている。カナダのミュージシャン、ジャン=ミシェル・ブレ作のパスピエを使ったFSはとても気に入っている。ワイルドスワンを組み入れた編曲でローリー・ニコルの振付けはリリカルでラブリー。

これからジュニアとしての4シーズンで更にエッジが深くなってゆきスピードも増してゆくはず。健康で前進していけるよう願っている。

河辺選手

コーチ変えが吉と出た?!

樋口コーチになって河辺選手らしい演技と試合運びができるようになった感。

今季のプログラム- ビリー・アイリッシュのSPも昨季ハベル&ドナヒュー組がFDで使ったドラウニングのFSも両方気に入っている。

樋口コーチのプログラムとパッケージングは河辺選手の個性をよく引き出していると思う。日本女子の中にあってキラリと光るモノがある。GPSフィンランドではFSのイナーバウワーで歓声があがっていた。

シニアに上がってからではジャンプのクセを直すのは難しいと思っていたが- 「ジャンプも個性のうち」と豪語する山田コーチの系列に入れば粗削りな印象のジャンプもスピンも個性と輝くのかもしれない。

確かに、みどりさんの巻き足、村上佳菜子さんのハンマーキックなど同門の選手のジャンプにはかなりクセがある。宇野選手もいうまでもない。

真央さんは空中姿勢は最上級と思っていたが離氷と着氷に難があった。着氷時にはつま先から降りる習慣がなかなか抜けずURを取られがちだった。離氷時ルッツのエッジにも苦労していた。フリップは得意という事になってはいたが- 左足首を使うよりも左足全体を外にせり出すことでインサイドエッジを作っていて膝や腰を痛めないかと気にかかったものである。

北京五輪では大体予想通りの試合運びだった。男女戦とも6位入賞の可能性がある他国のスター選手を抱えていた濱田コーチの下で得られる支援には限界があろうと想像していた。

今季からのコーチ替えはベストタイミングと思う。宮原、紀平選手らができなかったことである。

ノービスとジュニア女子選手の基本教育ではトップコーチの1人といえる濱田コーチだが、国際試合で頭角を現しある程度までいったら表現面・技術面だけでなく戦略面も含めて新たな指導を求めて他クラブ・他コーチにゆけば確実にステップアップが期待できる。その意味で島田選手もこれから長いジュニア期間中にどこまでゆけるか、どこまで手を尽くせるか楽しみである。

シーズン後半はさいたまワールドと4CCの補欠となった河辺選手。B級試合もたくさんあるので迷わず挑戦してゆけるようにと思う。

3Aと3Lz+3T

全日本女子戦ではSPで3人、FSで5人が3Aを跳びにいった。

伊藤、中野、浅田、紀平、樋口と続いてきた3Aジャンパーの流れは日本の選手に確実に受け継がれている。跳んでいる選手が身近に居ることは最大のモチベーションになるのだろう。

ここ数年出てきている韓国の選手は皆3Lz+3Tが上手い。高さも飛距離もある。これはヨナ・キムさんが作った流れと思う。

今ではノービス女子の標準となっている3Lz+3Tだがバンクーバー五輪頃までで跳んだのはキムさんだけだった。コンボジャンプは3+2がほとんどで3+3は跳んでも3T+3Tだった。真央さんや安藤さんら数人が3F+3Loや3Lz+3Loを跳んだ時期もあったがループのURをとられがちで定着しなかった。

紀平、住吉、島田選手らは4回転に挑戦している。安定するまで時間がかかるだろう。そもそも安定するまで現役を続けられるかどうかも分からない。

先駆者の苦労は多くとも必ず後に続く選手が出てくる。単に高難度ジャンプが多くなれば良いというものではないがフィギュアスケートの技術はまだ頭打ちには達しておらず女子の技術力アップは観戦側にとっても見所の一つである。


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ご訪問くださり応援くださり大変ありがとうございます。

新年のご多幸とご健康をお祈りしています。

御家族共々2023年が最高の年となりますようお祈りしています。

Wishing you a very happy and healthy New Year !
Bonne Année !





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