2022-08-14

6月のISU総会 1 新規定

ルール変更

第58回ISU総会で決定された内容について2ヶ月前に書き始めたがあまり実のある記事にならず放って置いたままだった。

競技年齢の引き上げやPCS改定などはここ数年議論されている。こういったルール変更は定期的にあり試合で運用されないと分からない部分が多い。熱心に読んでくださる読者の方々に役に立つような記事にならずとも少し書き残しておこうと思う。

PCSについては検討チームが発足したことを以前(2019年11月2日付け記事)取り上げた。チームは伊、加、露、米の役員で成り大国日本は入っていなかった。2年半ほど経って今回その研究成果・討議結果が発表された訳だが- 5項目から3項目へ、係数変更などこまごまとしたルール変更は騒がれているほどの影響はなく、これまでもそうだった様に要は採点する側がどう実施するかにかかっていると思う。

選手や試合によって意図的に偏向採点する傾向が続く以上はルール変更はほとんど無益、無意味である。偏向採点へのスタンスが変わらない限り、試合に向けて参戦準備する側にとっても採点する側にとってもプログラム構成や振付けが新規定にあっているかどうか確認する以外は一時的な気分転換ぐらいの効果ぐらいしかないだろう。

数年前から出ていた「ジャッジをGOEとPCS採点の2グループに分ける」というのは良い提案。今回もあったが議決がどうなったかは分からない。文書になっていないので否決された?

この案が実現すれば多少の運用の問題が生じてもジャッジがGOEとPCSそれぞれの採点に集中できるのでミスが減り採点のバリアンスが小さくなるメリットがある。

勿論ジャッジが意図的に正当に採点しない場合は偏向採点のバリアンスの方が大きい可能性があり残念ながらこの案もまた有益とはならない。

年齢引き上げ

年齢変更については以前から書こうと思っていたが- 今回提案が可決されミラノ五輪へのフレームワークが出来上がってしまった。

露の除外が10年くらい続けば別だが数年で復帰させることになれば、高難度ジャンプ挑戦による健康問題など年齢変更の本来の理由などものともせず規程年齢に合わせてアスリートを育成してくるだろう。17才というボーダーラインに最適に合った選手を発掘し違法でない範囲で薬も使い総力をあげて調教してくるはずである。

つまり競技年齢を引き上げてもその原因となった問題の解決にはさほど貢献しないだろうと予想している。また何回も指摘されてきたように女子戦ではジュニア戦の技術内容の方がシニア戦よりも高くなるだろう。

総会の主な決定事項のまとめはこちら。

ISU文書:2494 Changes accepted by the Congress


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~



ご訪問ありがとうございます。
季節柄皆さまご健康に留意されます様に。




No comments:

Post a Comment

Contact Form

Name

Email *

Message *