2020-07-13

2019/20 Season in Review 3 女子の技術躍進

女子の技術力アップ

昨季は女子のジャンプ技術躍進のシーズンだった。

バンクーバー五輪では浅田選手の3Aが最高位、コンビネーションでは3Lz+3Tを跳んだのはキム選手1人だった。五輪以前は3Lz+3Loを何人か跳んでいたが定着しなかった。ソチ五輪までは浅田選手が3Aを跳び続けた以外はほとんど技術進歩は見られなかった。数人が3Lz+3Tを試合に常備するようになっていた。ソチ以後トゥクタミシェワ、紀平、ナガス選手らが3Aを認定されジュニアで3Lz+3Tが標準になりつつあった。

シニアデビューシーズンに平昌五輪まで勝ち抜いたザギトワ選手は3A、クワドこそ跳ばないが3Lz+3Loを含む1試合で3Lz3本、3F3本、3Lo2本という当時の女子選手の中では最高難度のジャンプ構成だった。しかもSP・FS共全て後半で跳ぶという挑戦は女子の技術躍進に貢献したのではないだろうか。

そして平昌五輪イヤーにジュニアデビューしたトルソワ選手が13でクワドを跳びシェルバコワ、ワリエワと続き、リゥ、コストルナヤ、ユ選手の3Aと伸びてきた。ロシアでは今やノービスの選手が4Tを跳び始めているらしい

北京五輪ではどこまで進んでいるだろう。これから体形変化を迎えるトルソワ、コストルナヤ、シェルバコワはどう成長しているか。

コストルナヤ選手はモントリオールワールドが実現していれば優勝していたのだろう。3Aは安定しスケーティングの美しさは昨シーズン一番だったと思う。

トルソワ選手はアスリート(ボクサー?)だった父君が陸上トレーニングをみてくれるそう。プルシェンコがどこまで本腰を入れて指導できるのか分からないがロザノフコーチも同時移籍していて期待が高まる。シーズンを終了し振り返って見ればコストルナヤ選手に魅了されつつも一番気になったのはトルソワ選手だった。コストルナヤのような選手は将来もまた出てきそうだがトルソワほどの身体能力を持ちクワドを数本入れらるような強靭な選手はそうざらにはいない。技術の高みを目指しているアスリートはスポーツ観戦者を惹きつけるものだ。

ロシア選手権ではトゥクタミシェワ選手も4Tに挑戦。練習では4T+3Tもキレイにきめている。樋口選手も初めて試合で3Aを跳べて良かった。試合数が少なくなるがこれからも挑戦できるようにと思う。

4Tを試合に入れ始めた坂本選手は平昌五輪までのメドベージェワ選手と同じフリップ中心のジャンプ構成で3F3本、3T3本とトップ選手の中では技術難度が低く試合で1本だけ跳ぶ3Lzはエッジの問題がある。クワドの方が得点が高いのは当然だがやはり3Lzをキチンと跳べるかどうかは総合的に見て選手の技術力を示す一つの基準かと思う。

韓国のユ選手は3Aに加えこれからはクワドも入れてくるだろう。強いアスリート魂を持っている印象。11才で初優勝して以来だてにナショナルタイトルを4回取ったわけではないことが良く分かったシーズンだった。

高難度ジャンプ in 2019/20シーズン

紀平選手は昨季23本の3Aにトライし2本URで1本は抜けて1A。2018-19シーズンから随分確率が上がった。

昨シーズン女子のシニア試合で跳ばれた高難易度ジャンプの本数を拾ってみた。抜けは入れていないが挑戦する魂に敬意を表して!!転倒、UR、DGなどで失敗したもの、また国内試合で跳ばれたものも含めた。

こうしてざっと見ただけでも全部で130本以上!! 3A+2Tや3F+3Loをカウントすればもう少し細かく分類できる。

世界選手権や終盤の国際試合がいくつか中止となってしまった昨季だ女子戦でこれだけの高難度ジャンプが跳ばれ歴史に残るシーズンだったと思う。

 

2019/20 Season in Review 記事

1 スポーツの多国籍化とアスリートの移籍

2 セーフスポーツとクリーンスポーツ

3 女子の技術躍進

4 シーズン記録

 ファンとメディア

6 採点ルールなど20/21への引継ぎ


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ご訪問ありがとうございます。

皆さま十分気を付けられて安全に過ごされ健康であられますように。





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